アパレルECサイト運営において、ユーザーが「思ったより値段が高い」「サイズ選びが分かりにくい」と感じると、カートインや購入に至らず離脱してしまうケースが多く見られます。今回は、キッズサイズと大人サイズを明確に区分して表示し、カートイン率58.7%向上・購入率129.2%向上という顕著な成果を上げた事例をご紹介します。
課題と背景:価格・サイズ表示の分かりにくさ
一部のアパレルECサイトでは、同一商品でキッズサイズと大人サイズの両方を展開し、サイズによって価格が異なるケースがあります。
今回の事例の従来のページ設計では、キッズサイズと大人サイズが明確に区別されず、すべてのサイズが一列に並べて表示されていました。
このような場合、特に広告経由で流入したユーザーは最初に目にする価格がキッズサイズの安価なものになりやすく、購入時に大人サイズを選ぶと「思ったより値段が高い」と感じてしまうことがあります。また、どちらのサイズを選んでいるか分かりづらいUIも、ユーザーの混乱や離脱の原因となっていました。
仮説:区分けによる納得感と信頼性の向上
そこで、「キッズ」と「大人」という明確な区分けを設け、それぞれの価格を分かりやすく表示することで、ユーザーが自分の選択したサイズと価格に納得でき、不信感が解消されるのではないかという仮説を立てました。
実施した施策:A/Bテスト
- 商品詳細ページ内で、キッズサイズと大人サイズを視覚的にしっかり分けて表示
- それぞれの区分ごとに価格を明記し、サイズごとの価格差を事前に認識できるように設計
- サイズ選択時には、どちらの区分を選んでいるかが一目で分かるUIに刷新
これにより、ユーザーは自身が選択したサイズがどちらの区分か、およびその価格を直感的に理解できるようになりました。
テスト方法と結果
本施策は、オリジナル(従来方式)とテストパターン(新方式)を本番環境で同期間運用し、A/Bテスト形式で成果を比較しました。
- オリジナル期間:6月23日~6月25日
- テスト期間:7月1日~7月4日
結果、
- カートイン率が58.7%向上
- 購入率が129.2%向上
という大幅な改善が見られました。これは、ユーザーの「思ったより値段が高い」というネガティブな体験が解消され、安心して購入アクションに進めたことが主な要因と考えられます。
成果から得られる知見
この事例から、アパレルECにおいては「サイズ区分」と「価格表示の明確化」が、ユーザー体験・信頼感・コンバージョン率に大きく影響することが分かります。
特に、広告経由など初回流入時には最初の価格表示が印象を左右するため、情報設計・UI改善が極めて重要です。
今回は期間別でのテストでしたが、PtengineのA/Bテスト機能を活用すれば、より簡単かつ効率的にこうしたページ改善の効果を定量的に把握し、ユーザー行動データに基づいた最適化を実現できます。
まとめ
- サイズ・価格情報の明確化は、カートイン率・購入率の大幅な向上につながる
- 「思ったより高い」というユーザー体験のギャップを防ぐ設計が重要
- PtengineのA/Bテスト機能を使って、ECサイトのUI/UX改善を定量的に評価・最適化できる
アパレルはもちろん、サイズやオプションで価格が変動するすべてのECサイトに応用できる成功施策です。
ぜひサイト改善にお役立ていただけますと幸いです